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中国通な社長のブログ

株式会社A-commerce代表 秋葉良和のブログ。
ビジネスアドバイザー業務を通じて改めて再認識する堅い話からやわらかい話までを思うまま徒然書き記すブログ。

プロフィール

秋葉良和
1994年 三井物産入社 14年に亘り食料部門に所属、輸出入〜国内流通〜スーパーM&A事業〜海外加工スキームの構築等を経験した後、中国上海勤務。中国を起点とした輸出入から現地政府との折衝まで幅広く経験。2007年三井物産退社、中国ビジネススクール、ビジネスアドバイザー、輸出入業務を行うA-commerceを起業。

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今回の中国出張は上海でした。目的は提携先である中国国家企業であるFESCO(上海市対外服務有限公司教育センター)にて、外国語教育についての討論会に参加することでした。

討論会のテーマは『外国語を学ぶことの意味は?』という設定。パネラーはFESCO関係者および海外提携先のカナダ、イギリス、そして日本代表の私、聴講者は在中国の中国企業、欧米系企業、日系企業の人事部・HRの方々です。

FESCO教育センターは、外国人に対し質の高い中国語を教えることで有名ですが、同時にTOEICやJ.TEST(日本語試験)などの外国語試験を執り行う機関の一つでもあるため、様々なニーズが集中しており、この日の参加企業も大手企業70社近くにのぼりました。

■第一部『資格の概念の説明』

英語、中国語、日本語、様々な言語において多様な検定・資格が存在しています。その資格が各国に導入された経緯・歴史の影響からか、正しくない資格・偏った資格が選ばれがちだということでした。

例えば英語でも、過去様々な検定試験が実施されていました。しかし現在は、語学基礎や大学受験の際に一定の指標となるTOEFL、ビジネス界で社員の英語レベルを見るにはTOEICが浸透してきています。中国語においても同様で、各国がそれぞれ各国独自の中国語の検定試験を設定していますが、中国政府が正式に世界共通基準として広げようとしているのはHSK(漢語水平考試験)とBCT(BUSINESS CHINESE TEST)です。前者がTOEFL、後者がTOEICに該当するイメージです。しかしながら、日本にはまだその概念があまり浸透していないのか、この両試験を中国語基準をはかる指標として取り入れていない学校や企業、団体が多く、また取り入れている場合も、HSKとBCTの区別を明確にできていないような例が多々あるようです。

意見交換の結果、集まった企業参加者の方も、グローバル化していく文化・経済交流の場において重要なのはエリア限定で通用する資格ではなく、世界中どこにおいても習得レベルが一定的に認識できる資格を選び取得することが重要であるということ、共通基準の重要さを再認識されたようです。

■第二部『語学学習の意味、正しい習得の方法』

語学は何のために学ぶのか?ということがテーマ。今回の討論会の中で参加者の興味を最も惹き付けたのは、語学を向上させるには『跨文化教育』が重要という話でした。中国語で『跨文化』とは、国家間の文化/教育を理解することを指します。

外国語はそもそも海外の人と交流を図ったり、ビジネスを行ったりするときに意思疎通を行うためのツール。育ってきた環境/教育が異なれば、物事に対するアプローチ、思考方法が全く異なります。例えば欧米において一般的であるちょっとした習慣が、中国においては失礼な態度に取られたりすることもあるし、その逆の例も多々あります。また中国人と日本人は容姿が似ている分、互いに自国の文化がそのまま通用すると考え、その結果好ましくない交流結果に終わることもあります。特にビジネスシーンでは、相手の商習慣を知らなければ、交渉をまとめることは難しいでしょう。

正しい交流を図るには語学も重要です。しかしながら重要度からいうと文化/生活習慣/商習慣の理解が最重要であるし、加えて『跨文化』習得の概念を身につけると語学力向上の礎になるということを皆で討論をしました。私も僭越ながら日本代表として発言させていただきました。現在日本で主宰している中国ビジネス研修センターでは、中国赴任を控えた企業職員、中国ビジネス担当職員を対象に語学+文化/商習慣授業を開催していること、その効果や受講者からの実際の感想を交えて伝えました。企業参加者の方々にも興味を持って話を聞いていただけたと思います。

討論会後の意見交換会にて皆さんからの強い要望もあり、今後FESCO教育センターとともにビジネスシーンで活用できる『跨文化講義』を共同で開発することとなりました。今後、日本および中国で広く開催していく予定です。

世界がグローバル化し、欧州にも例が見られるように、国家間の概念からエリア・地域間の概念がどんどん広がっていくと思います。近い将来、日本と中国においても、国家間の交流から同じアジアエリアの一員としての交流に変化していくと思います。その際には『跨文化』の概念は非常に重要ととらえています。私も微力ながら交流のサポートを真摯に継続していきたいと考えております。
(サーチナ・ヤフー連載 中国通な社長のビジネスコラムより転載)

<1月連載の転載です>

昨年最後の中国出張は、北京・上海・蘇州訪問でした。北京・上海訪問の目的はネット業界・教育業界の二大業界の雄を訪問し、意見交換すること。蘇州では中国法律事務所の弁護士先生と日系企業の法務トラブルについて意見交換をする『法務合宿』を行いました。内容が多岐に亘ったこともあり、師走のシーズンにふさわしく(?)非常に慌ただしい出張となりましたが、今回は、その訪問体験も踏まえて、ネット業界について触れて見たいと思います。

今回、検索サイトで最大の百度、ならびに総合サイトで最大手に位置する捜狐(SOHU)、両本社を訪問しました。
  
百度はさすが検索サイトで世界一企業となっただけあって、オフィス内部からクリエイティブさが漂っており、宇宙空間を彷彿とさせる会議室などが印象的で、そこで働く人たちも総じて自信と誇りを持っていらっしゃいました。雑誌も創刊し、非常に勢いに乗っている感じを受けました。今後アジアを中心とした世界戦略に注力していくとのこと。日本の百度ではまだ満足する結果が得られていないということでしたが、現在は日本市場学習のときと割り切り対応していらっしゃる様子、これからじわじわと実力を出していくことと思います。

『捜狐』は非常に人気のある情報総合サイトで、『新浪』とともに中国最大手ポータルサイトと称されています。総合情報だけでなくオンラインゲームに非常に強いサイト。また、SOHUでは中国内のNBAオフィシャルスポンサーも兼ねているため広告宣伝力もかなり高いようです。中国では現在最も人気のあるスポーツはバスケットボール。数年前から問題になっているサッカーの違法賭博とは違いクリーンなイメージがあることに加え、中国出身のヤオミン選手などの米国NBAでの活躍もあり、CBA(CHINA BASKETBALL ASSOCIATION)という国内プロリーグも大人気、また民間でも小学校から大学に至るまでバスケットボール部に所属する若者が多くを占める状況。米国NBAも日本にはここ数年来日していませんが、中国には年1回以上の割合で訪問しているほどです。

今回の面談では1日当たりの閲覧ビュー数の話に及んだ際、億単位の回答に、日本人の私にとってはそのあまりの多さに大変驚きました。日本企業の同サイト利用も益々増加すると思います。

また、日本の業者も注目している中国ネット販売網にも少し触れてみたいと思います。現在手元にある最新資料は2009年第3四半期の売上総額ですが、昨年よりも飛躍的に伸長し、その売り上げは658.5億元(≒8692億円)に到達。百度、SOHUの担当者との意見交換においてネット販売に話が及んだ際に、両者が声を揃えて述べたのは、中国ネット販売市場を利用するメーカーが成功するためにはある一定の法則があるということでした。
 
それはネット展開と同時に、1店舗でも良いのでリアルな店舗を構えるということです。中国では消費者がその製品の「信頼度」を確認できる方法をメーカー側が準備することが重要で、消費者の信頼を得られたメーカーがネット販売においても安定的、時には爆発的な売上をあげるということでした。日本のメーカーでは、ユニクロは中国ネット販売でも大規模な成功を収めていますが、既に相当数の実店舗があり「信頼度」が高く、この例に当てはまると思います。

<BtoBサイト>
日本でも既に認知度が高いのは、BtoBサイト『阿里巴巴(アリババ)』。好調なアリババですが、最近は対抗馬となる『敦煌』の人気が上がってきているようです。同サイトの特徴である、小規模ロットが受けていることと、アリババが支払いに使用するalipay(支付宝)よりも外貨対応汎用性の高いebayのpaypalを利用していること、UPS等の国際物流業者と提携していることなどが利用者に受け、2008年の売上では既にアリババの3分の1まで到達しています。

<BtoCサイト>
もっとも利用者が多いのは、アリババグループ傘下の『淘宝網』。一日当たりの売上が5億元(≒約65億円)とも言われており、中国のネット販売の凄さを象徴するサイトとなっています。

しかしながら、最近ではBtoCサイトにおける消費者の利用方法も様変わりしつつあります。購入商品やニーズによってサイトを使い分けている傾向があり、中でもこの3サイトは外せない人気のようです。

・第一人気…『京東商城』
  家電+IT製品。本社は北京に位置しながらも、上海地区で最大の売り上げを誇っている

・第二人気…『卓越(亜馬遜)』
  日本でも人気のAmazon。立ち上げ時期も早く、信頼も厚い。

・第三人気…『当当網』
  本やDVDを買う時はここに限る、という利用者が多い。

しかし最近では過当競争気味になってきているネット販売業界、BtoCの粗利率は10〜15%に落ち込んでおり、信頼の低いサイトは淘汰されはじめている状況もあるとのこと。

日本と比較すると圧倒的な規模を誇る中国ネット業界。日本の企業も広告展開や販売において、やみくもに掲載するのではなく、自社方針に合ったサイトをきちんと選択し、有効に活用する姿勢が重要だと思います。
(サーチナ・ヤフー連載 中国通な社長のビジネスコラムより抜粋)

先日福岡で講演会を実施する機会がありました。『福岡がアジアの中心となるために』と題する、行政・民間レベルで中国と交流を行い福岡をもっともっと盛り上げようという主旨のセミナーでした。

普段行っている“中国ビジネスセミナー”の主な受講者は企業の人事総務や中国担当の方ですが、今回は全く違ったアプローチで、対象は20代〜70代、官公庁関係者、経営者、ビジネスマン、OL、学生まで幅広い層。当初はどうなるものかと緊張しておりましたが、ふたを開けて見れば100名を越える方に参加いただき、大盛況でした。講演後もメールなどで多数のお問い合わせをいただき、福岡の皆さんの熱心さを改めて認識しました。

せっかくの福岡滞在の機会でしたので、街中を視察しました。福岡の不動産店のウインドウに貼られている物件情報を見て、驚いたのはその家賃相場の安さです。もちろん、東京と比較するとリーズナブルだろうと想定はしていたものの、実際価格を確認すると、上海と比較してもリーズナブル。これを見て、中国の友人たちと『中国の家賃・生活費の現状』について話が出たことを思い出しました。

上海では最近、不動産相場があまりにも上昇しすぎて、若者たちの生活に対するプレッシャーがかなり強まっているとのこと。それは、いわゆるホワイトカラーも例外ではありません。

例えば、30歳前後で一般のマンションを賃貸する場合、生活周りの平均費用を挙げると、
 ◎物件賃貸:2500元(最低でも1500元)
 ◎水道、電気、ガス代:200〜300元
 ◎食費:1500元(最低900元)
 ◎交通費:100〜200元

大学卒業後の初任給で2000元、30歳前後の一般職で4000元〜5000元の給与。その中から上記の生活費をまかなうわけですから、非常に苦しい生活です。暑い夏、寒い冬でも極力エアコン等の空調設備を使用せず、節約しています。

実際に、上海政府が発表した各エリアの賃貸相場(最低価格ベース)を調べてみました。
 ・浦東新区:(陸家嘴エリア)2300元、(その他)1500−1900元
 ・静安区:2400元
 ・徐匯区:(徐家匯エリア)2000元、(その他)1800元
 ・盧湾区:(打浦橋エリア)1800元
 ・長寧区:(中山公園エリア)2100元、(天山エリア)2000元
 ・黄浦区:1800元−2300元
 ・普陀区:1600−1700元
 ・虹口区:1500−1700元
 ・閘北区:1600−1700元
 ・閔行区:1100−1700元
 ・宝山区:1400−1500元

最低相場で上記価格なので、立地条件の良い賃料はかなり高いはずです。上海地元の方はまだ良いのですが、地方出身の人はかなり苦しいと思います。

このような状況を受け、いま増えているのが、ホテルを借りてシェアをするスタイル。どのような方法かと言うと、ホテル側と6カ月〜1年の長期滞在契約を結び、1部屋を2名でシェアをするという方法。この場合、
 ◎物件賃貸:1500元(長期契約でかなりの安値、更に1名当たりの負担額は低い)
 ◎水道、電気、ガス代:無料
 ◎食費:朝食つきなど
 ◎交通費:変わらず、100〜200元
 ◎その他特典:エアコンは好きなだけ使用、毎日の清掃つき
  なるほど、かなりお得です。

最近は一般的なホテル以外に、日本で言うビジネスホテルチェーンも増加しています。また金融危機の影響や上海万博を見越してのホテル数急激により一部値崩れを起こしているようです。空室を少しでも埋めたいホテル側と、お得に借りたい客側の利害が一致した形でしょうか。

過去においては日本企業が人件費低減のためこぞって中国に進出していましたが、近い将来、中国の方が生活費を押さえるために日本に移住するなど、逆転現象が起きるかもしれません。

今後日本もアジアの中心となって発展していくためには、日本人はもっともっと知恵を絞って、経済復興につながるビジネスの活性化、それによる雇用創出が必要です。そのためには、日本単独でのビジネスモデルよりも、アジア、特に中国とのインバウンド・アウトバンド両方向でのビジネスモデル創出が不可欠と考えます。私も微力ながらそのサポートが出来るよう努力したいと思います。
(サーチナ・ヤフー連載 中国通な社長のビジネスコラムより抜粋)

当初予定より遅れ、11月15日より中国入りした米国オバマ大統領。対米友好ムードが重視される日本での滞在は1日だったにもかかわらず、中国での滞在は実に4日間となりました。

ここ数カ月、米国と中国は経済面で微妙な関係にあったと思います。

金融危機以来、国内の財政立て直しを迫られているオバマ大統領は、結果として中国からのタイヤの輸入に対し、最大で35%の上乗せ関税をかけることを発表するに至りました。しかしながら本案件は一方で自身の首を締めてしまうことにもつながります。

過去と違い、現在中国は「世界の工場」の面だけでなく「世界の市場」の面も持ち合わせており、米国の様々な分野の企業が中国で利益を得始めている面もあります。そのため、これらの米国企業からオバマ大統領は責められることになり、今回の訪中で「パートナー」というキーワードのもと、中国政府要人との会談のほか、大学での学生との対談まで広く行事に出席し、積極的に友好関係をアピールしました。

中国側も今回の訪中については冷静にとらえているものと思われます。オバマ大統領訪中に合わせ、上海ディズニーランド開園正式許可というお土産を準備したものの、他は厳しく且つ対等な立場で臨み、経済問題から北朝鮮問題まで広く話し合いました。このような状況は日本の各メディアでも広く報じられていたので目にされた方も多いと思います。

せっかくの機会ですので、中国一般の方々はどのような意見を持っているのか、北京・上海の20代〜30代のビジネスマン、OL、大学生など数十人にヒアリングしてみました。その内容をまとめると以下の通りです。日本で伝わっている報道とは違う、意外に冷静な見方が印象的でした。

 ・金融危機以来、米国中心の経済という神話は消失し、非常に冷静に見ている。
 ・成長過程にある中国経済に頼らざるを得ない部分もあり、融和政策を取り
  始めているのであろう。
 ・互いに利益を得られることであれば積極的に取り組めば良いが、一方的な
  要求は全く受け入れる必要はない。
 ・上海復旦大学に8大学の学生を集めた交流はパフォーマンスの1種に
  捉えられる。(さすが弁護士出身だなという印象の模範的な質疑応答に
  終始し、参加者の学生は冷静だった印象)
 ・今回の中国の対話姿勢により、勢いある自国を再認識し、国際的位置づけも
  確認する良い機会になった。

中国は経済面・政治面において驚くほどの成長を遂げています。今回の対米外交を伝える報道は中国国民により一層の自信をもたらし、今後の更なる発展の原動力にもつながってくると思います。

私見ですが、今回の件を見ると、どうしてもブレのある日本の外交姿勢と比較してしまいます。これまで外交的主張に今一つ欠けていた日本。せっかく政権交代をしたのですから、この点は中国を見習って主張すべきところは主張し、協力すべきところは協力するという姿勢を持ち、経済面だけでなく、政治・外交面でも国際的な信頼を得られる地位を確立すべく、臨んでほしいと願っています。

(サーチナ・ヤフー連載・秋葉良和『中国通な社長のビジネスコラム』より抜粋)

今週の中国はエンターテイメント分野で大きな話題が二つありました。一つはiphone正式発売、もう一つは上海ディズニーランド認可のニュースです。11月2日に発売開始となったiphoneはWi−Fi機能なし、聯通3G使用との制約が多いバージョンだったものの、北京・上海ではかなりの人数が列をなしたと聞きました。

  今回は11月4日に正式発表となった上海ディズニーランド認可について考えてみたいと思います。出資比率は当初予定通り、上海市政府関連企業が57%、米ディズニー本社が43%、投資総額は244億元(約3220億円)と上海万博の投資額を大きく上回り、経済効果予想額は1兆元(約13.2兆円)に及ぶとのこと。

  発表の数日前に浦東地区に住む私の友人から、非公式に周辺住民の移動が再び開始したとの情報を得ていたこと、またオバマ大統領の訪中を11月15日に控えていることから、来週あたりの発表かなと予想していたのですが、それよりも早い発表になりました。

  早い段階から計画が発表されていたこの上海ディズニーランドですが、香港ディズニーランドとの競合や上海万博への注力が先決と望まれていること、また金融危機の影響などいくつかの問題点もあり、本当に実現するのかどうか、上海市民だけでなく、世界中が注目していました。

  上海万博の開催後、中国経済の内需拡大はどれくらいのペースで進むのだろうと考えていましたが、この上海ディズニーランドの開園決定でより拍車がかかり、加えて近隣国からの観光客も更に増加し、益々の経済発展が予想されます。

  ディズニーリゾートの位置づけは現在世界で5カ所。上海が6カ所目となります。参考までに各エリアの内容を比較しました。

国名:都市(設立)…総面積/来場者
美国:ロス(1955年)…207ha/2000万
美国:オーランド(1971年)…12228ha/1600万
日本:東京(1983年)…201ha/1730万
法国:パリ(1992年)…1951ha/1200万
中国:香港(2005年)…126ha/450万
中国:上海(2013年)…150ha(第1期パーク面積)
※総面積=含む周辺関連施設

  上記のうち、同じ中国にある香港ディズニーランドはめずらしく大きな赤字を抱えているようです。実際のアトラクションがあるパーク面積は他のディズニーリゾートと比較して非常に狭く、開園当初厳しい入場制限を強いられ来場者の不満を招いた結果大きなブレークに至らなかったこと、且つスタッフのホスピタリティが今一つと言われていることなどが現在の状況につながっているようです。

  上海ディズニーランドは米国本拠地以外で初の同一国2つのリゾート建設となります。上記の香港ディズニーランド不振を上海で取り返そうとの米ディズニー本社の意向が、最終決断に大きな影響を及ぼしたと思われます。香港ディズニーランドは早速施設拡張を決め、来場者増加策に乗り出したようです。将来の中国における金融都市の座を巡って最近何かとクローズアップされる両都市、今後はディズニーランド運営においても比較されるでしょう。

  また上海ディズニーランド建設によりもたらされる影響について調べてみました。

●アジアのハブ空港として上海浦東空港のクローズアップ

  今回のディズニーランド開園により、浦東空港はトランジット+『α』の魅力が備わることになり、アジア各国から欧米路線への利用客が増えれば益々の経済発展につながります。

●関連企業株の急上昇

  発表と前後して、運営・建設に関係のある企業のうち、上海陸家嘴金融貿易区開発株式有限公司、上海界竜実業集団股フェン有限公司、上海新梅置業株式有限公司の3企業は先週末に相場全体が落ち込む中、強い上昇傾向を示したとのこと。ここしばらくは注目株となりそうです。

●周辺地区の不動産価格の高騰

  実際、上海ディズニーランド建設地から3km前後の距離にある浦東川沙新市鎮不動産用地の入札が11月4日に行われ、11.9億元(約151.8億円)で決まったとのこと。これは発表前日の11月3日価格と比較して1日で5億元(約66億円)の高騰にあたり、この土地コストで仮にマンションを建設したとしたら1平方メートルあたり1万4024元と、現在の同地区の平均価格7731元の約2倍となるそうです。

  上海東方ネット調査によれば、上海市民のディズニーランド開園に対する印象は、「熱烈歓迎」が37.40%、「概ね歓迎」が14.80%と良好ながら、反面、開園による不動産の急高騰が不安との意見も19.48%を占めていました。

  いずれにしても2010年上海万博、2014年ディズニーランド開園と上海を取り巻く好環境により、経済発展はまだまだ継続しそうです。同時に環境保全面、サービスホスピタリティ面での早急な改善が望まれます。これらの分野で日本企業がノウハウをサポートし、両国の更なる友好関係が築ければと期待しています(サーチナ・ヤフー連載『中国通な社長のビジネスコラム』より抜粋)

中国ビジネス短時間で理解!『労働法』セミナー開催
■■■ 中国ビジネス短時間で理解!『労働法』セミナー開催■■■

お陰さまで【中国ビジネス短時間で理解!】第一弾セミナーは大盛況でした。

今回は皆様の要望が最も多かった『新労働法』をテーマとして採り上げます。

これまで開催された『新労働法』セミナーは多数ありますが、専門用語の羅列や専門家からの方法論に終始し、参加者の理解度が今一つだったり、実際のビジネス場面にて
活用するまで至らない例が多々ありました。

皆様のもっとわかりやすいセミナーを!という声にお応えし、
今回は日本企業の案件を多数扱った経験豊富な中国人弁護士と、日本企業が知りたい点を熟知する日本人ビジネスアドバイザーの対談形式で開催致します。

わかりやすい言葉をつかい、実際の争議例を挙げてのケーススタディも満載。人事・総務部の方はもちろん、中国ビジネス窓口の方にもきっと満足していただけるセミナーです。

この機会にぜひともご参加下さい。

尚、今後は【短時間で理解!】シリーズを第6弾まで実施する予定です。本シリーズに全てご参加いただけますと、皆様に巷の中国コンサルティグでは太刀打ちできないような知識をつけていただくことは間違いないと自信を持っております。

【セミナー概要】
テーマ   : 【中国ビジネス短時間で理解!シリーズ】
         中国新労働法

開催日時 : 2009年10月23日(金)15:00-17:00 (17:00-17:30個別質疑応答)

開催場所 : 東京国際フォーラム 会議室G502

参加費用 : 7,000円

定   員 : 50名限定【残席わずか!】

お問合せ先: A-commerce セミナーデスク 平野
         info@a-commerce-inc.com
         03−3479−8145

【講師】
★潤明法律事務所 弁護士 / 陳 軼凡(チン イーファン)
・労務紛争処理をはじめ、日系企業の中国進出、知的財産、外資M&A案件、会社清算等、
 多数の案件を手がける、実践派の弁護士。
・日経新聞をはじめ日中両国の多数のメディアにて執筆中。

★A-commerce 代表取締役 / 秋葉 良和
・CBDA中国ビジネス研修センター代表
 対中ビジネスに不可欠な独特な商習慣〜現地スタッフの管理方法を講義。
・中国現地法人の設立から実務から法務相談まで対応するビジネスアドバイザー。
・ジェトロ、日中政府機関において中国ビジネス講師として各地にて講演。

2009年10月1日、中華人民共和国は建国60周年を迎えました。社会主義政策の下、計画経済に市場経済の方式を取り入れ、他の国では考えられないような激しい変革を短期間で実施、現在では『世界の工場』から『世界の市場』へと変貌を遂げ、全世界から最も注目を集める国の一つとなりました。

  国慶節一日目に大々的に記念式典が催されましたが、私と中国人スタッフは、ネット配信でその模様をリアルタイムで見ていました。噂では百億元以上を費やしたという軍事パレードは現在の中国の勢いを誇示するに十分でしたが、物々しい雰囲気も少々感じました。

  その後中国にいる友人たちに連絡を取り、どのように感じたかと問うと、おおよそ同様の答えでした。『現在の母国に誇りを、現在の発展に誇りを感じている。』

  特に成功者と言われる人ほど現在の政府政策を支持している傾向があるように感じます。この点は他の社会主義国と違い、市場経済を上手く取り入れている中国の特徴でしょうか。政府が決めた制度に違反しない限り、経済活動等は積極的に行って構わない、富める者からどんどん豊かになって行こうという政策は、成功者を輩出しやすい環境と言えます。一方で格差も広がりやすいのですが、その点はまだまだ続く高度成長期、誰もが成功する機会はあるという雰囲気を盛り立て、結果国民の総体的な人心掌握につながっていると感じます。

  しかし一方で彼らは、急速なハード面の発展にソフト面・サービス面が十分に追いついていないことを重く捉えており、環境改善やマナー向上の意識が国民全体に浸透することを願っています。また福祉面の充実についても意見が出ていました。

  国際エネルギー機関IEAが発表した2007年度報告によれば、中国のCO2排出量が米国を抜き、とうとう世界一になったとのこと。全体の21%の割合を占めるようです。日本も第5位の排出国になっており、環境改善の配慮が望まれます。民主党政権への交代の流れで、鳩山総理は国連において温室効果ガス排出量を25%削減することを宣言しました。

  私も来週中国出張が控えているのですが、その際、第一線で活躍されている国家公務員約30名を対象に、日本の新政権ならびにその政権交代により起こりうる経済産業の変革について講演をするよう依頼を受けました。現在日本が中国に対して関心を持つと同様に、中国も日本の新政権に興味津々のようです。ちょうど10日に北京で日中韓3カ国会議が予定されていますので、その会議内容も議題に採り上げてみようと考えています。私自身も中国の方々が日本の現状に対してどのような印象、意見を持っているのかを伺える良い機会と楽しみにしています。

  さて、再び国慶節の話題に戻します。この1週間は、中国の現在の勢いを直接的・間接的に世界に見せつけた1週間でした。

  昨年も国慶節の消費額増加について触れましたが、今年は更に伸長したようで、中国国際放送によれば旅行・観光に出る人数が過去の記録を大きく更新しました。なんと約2億人!金融危機やインフルエンザ発生はそれほど影響せず、業界の売り上げは最低でも前年比25%増の1,000億元(≒1兆3500億円)!に達するとのこと。日本新政権が3兆円財源を確保するのに奔走していることを考えると、中国の勢いに驚愕します。

  また中国のブライダル協会によれば、今年は国慶節連休中に結婚式を挙げるケースが増加したようです。上海などの都市部では、挙式一件当たりの費用は平均で18万元(≒240万円)を超えているようですから、ブライダル業界もかなりの売り上げだったと予想されます。

  内需拡大が継続し経済発展が続く中国。ぜひ環境配慮も考慮した施策を実施していただき、更に世界の注目を集めてほしいと願います。来年実施される上海万博では『環境保護』をスローガンに掲げています。現在中国では環境保護事業につながる外資企業を積極的に受け入れており、その流れで日本の環境改善設備業種の中国進出も増えています。今後は日中が互いに協力し、アジアにおける環境指標を設定できるような取り組みを行っていって欲しいと願っています。

(サーチナ2009年10月7日「中国通な社長のビジネスコラム 第29回−秋葉良和」連載より)

世界的な金融危機の中、いち早く低迷を脱した中国。今度はオリンピックを終えた北京、万博を来年に控える上海の2つのエリアで多国籍企業(跨国企業)の本部呼び込み合戦が活発化しています。

  日本企業の中国における現地法人設立手続きサポートを行っている関係上、関連法令を注意してチェックするようにしているのですが、今年6月末に発表された北京の『多国籍企業による地域本部設立を奨励する実施弁法』が実際に施行され、対象となる企業が最近様々な動きを開始した感があります。

  北京商務委員会、市発展改革委員会、公安局、財政局など多数の部門が共同発表したこの『実施弁法』法令ですが、「地域本部」の認定条件として次の条件が挙げられています。

・親会社の資産総額は4億ドル以上
・親会社の中国における払込済登録資本金が1000万ドル(約9億4千3百万円)以上かつ中国国内外で投資または管理している企業が3社以上、あるいは中国国内外で投資または管理している企業が6社以上であること

  上記条件を満たす場合、下記の優遇を受けることが可能になります。

・北京に地域本部を設立する多国籍企業は最高1000万元(約1億4千万円)の補助金・設立1年目はオフィス賃料の30%を援助、購入の場合も1平方メートルあたり1000元を支給・地域本部の年間売上高が10億元(約140億円)の売り上げを超える場合、1000万元の奨励金
・上級管理職は学歴や年齢などの制限なしで北京戸籍の取得申請が可能となる上、最高100万元の報酬あり

  対象となる多国籍企業にとっては魅力のある政策ですが、北京における今回の法令施行の背景には、多くの多国籍企業の地域本部を擁する商業都市代表の「上海」との競争があります。

  過去に海外企業に対し様々な優遇制度があった香港にも地域本部が多いのですが、現在ではさほど優遇制度のメリットがなくなってきたことに加え、中国市場展開を目指す企業にとっては、今後は消費ニーズのある他の沿海部に地域本部を設置した方が業務上便利で現実的というふうに企業の認識も変化してきています。このため、将来においてはライバル視されていないようです。

  「北京対上海」の商業競争は実質的に10年前から始まったと言えます。1999年、北京市は今回同様、多国籍企業の地域本部奨励法を制定し一定の優遇制度を打ち出しました。2002年、上海市も対抗するように奨励法を制定、更には2008年7月7日に奨励法改訂版を発表、いち早く1000万元(約1億4千万円)の奨励金概念を打ち出しました。結果、優遇政策面に加え、経済発展のイメージがより強い上海での地域本部設立数が北京を上回っている状況です。

  しかしながら「政治」での北京、「経済」での上海と各々特徴があり、企業から見てもどちらに地域本部を置くべきか、甲乙つけ難いところです。業種によって傾向が見られるのは、政治が絡む通信業などは北京に本部を置く場合が多く、ノキア、モトローラ等の例が挙げられます。インフラの確立が不可欠な商業スーパーや金融サービス業は上海に本社を置くことが多いようです。同じ業界でも、企業の考え方により「政治」面を重視するのか「経済」面を重視するかによって2分されている自動車業界の例もあります。トヨタ、クライスラー等は北京に、GM等15社以上は上海の本部設置を選択しています。

  更に新しい流れも生まれています。北京と上海の両エリアに本部機能を持つ機関を備え、メリットの享受を目指す方法です。本年に入り、上海は100億元を投資して9大産業(新エネルギー、新素材研究、新燃料自動車製造、航空機製造、重要最新機器設備、製薬、IT製造業、海洋技術機械製造、サービス業)に注力をする意向を示しました。2010年までにこれらの産業の売上合計を2008年比で2.5倍にしようというものです。インテルは地域本部を上海から北京に移行させるものの、半導体の製造拠点は中国企業との合弁の形で上海に置き更に拡大を図る意向。また、ユニリーバも地域本部は別地域に置きながらも、本年9月に5000万ユーロを投資し、上海に全世界研究センターを設立しました。

  多国籍企業の納税額は総額の2割〜3割を占めると言われており、北京・上海ともに税金収入面でもこれらの企業を取り込みたいとの意向は強いと思います。加えて「首都」と「経済の中心」とのプライドの戦いの要素もあります。

  いずれにしても今や世界における経済の中心になりつつある中国、今後も多国籍企業が続々と参入することは間違いありません。誘致における優遇メリットも短期間のうちに相次いで発表されると思います。

  各国の企業は進出の際にその法令をタイムリーにチェックすることに加え、そのエリアに本部を置く利便性や消費者に対するイメージなども総合的に考慮し、最終的にどのエリアに本部を置くかを検討しています。私も日本企業にとって少しでも有利な展開が出来るよう、関連情報のアップデートを心がけたいと思います。

(サーチナ2009年9月28日「中国通な社長のビジネスコラム 第28回−秋葉良和」連載より)

中国大手銀行の特徴−評価が分かれる顧客サービス

 

先週から今週にかけて東京、福岡、上海と3都市を往来する出張が多く入りました。9月4日(金)福岡にてJETRO/商工会議所主催で中国ビジネスセミナーを開催させていただきました。募集前予想の2倍以上の申し込みがあり、開催場所の変更・調整が急遽必要になったものの、関係者の方々に奔走していただいたおかげで講演会を滞りなく実施することが出来ました。

 中国市場に進出したい企業様から中国人観光客を地元に呼び込みたい企業様まで様々な業種の方に参加いただき、またセミナー終了後も個別に様々なご意見・ご質問をいただき非常に勉強になりました。福岡を中心とする九州地区は中国から非常に近く、観光資源も揃っていますので、地元が一体となって活動し中国側が興味を持つような効果あるPRを行えば実際の集客につながると思います。ぜひ一方的な情報発信に終わらず、結果につなげてほしいと願っています。

 講演会翌日から上海入りし、提携先である中国国家機関のFESCOと共催で懇親会を開催致しました。メンバーはFESCOで中国語課程を学習中あるいは卒業した企業職員および弊社ビジネススクールで学んだ企業職員の皆様。業種が全く異なる10数社の皆様が業務を離れ、リラックスした雰囲気の中交流できる良い機会となりました。盛り上がった話題は生活面の話。銀行の使い勝手について話が及んだ際にはFESCOおよび弊ビジネススクールの中国人管理者および中国語講師も加わり、「あの銀行のサービスは……」等かなり熱のこもった意見交換となりました。私もこの機会に銀行について調べてみました。

英国の経済誌『TheBanker』8月号で発表された中国の銀行トップ10のデータは次の通り。
 1位:工商銀行 66271
 2位:中国銀行 56210
 3位:建設銀行 52899
 4位:交通銀行 16451
 5位:農業銀行 12133
 6位:中信銀行 11217
 7位:招商銀行  8722
 8位:民生銀行  5850
 9位:興業銀行  5069
10位:上海浦東発展銀行 3781
(2007年12月31日現在データ、数値は資本金額、単位:百万ドル)

 元々、全ての銀行は人民銀行から派生したものです。伝統的な中国5大銀行を挙げると

・中国銀行…海外支店数が一番多く、海外との決済業務量が最多。

・工商銀行…国内企業間決済における収入と業務量が最多。顧客は主に中国大手企業、
        国営企業。商業施設内企業の基本口座を取り扱う銀行。最近海外進出にも
        積極的。インドネシアの国家銀行の株を90%取得、アフリカの銀行の株を
        20%取得等。

・農業銀行…不良債券額が最も多い。農村向け業務が多いことが影響している。

・建設銀行…不良債券額は農業銀行についで二番目。個人不動産の貸付けが
        主な業種でローン返済の延滞が影響している。

・交通銀行…100年以上の歴史を誇る銀行。



 現在のところ国内企業決済を得意とする「工商銀行」がサービスでもこなれており、一般顧客の満足度が最も高いイメージがあります。顧客クレームの頻度が高い中国において、実際の業務を通じて自然と行員の作業の質も高まり、短時間で様々な業務をこなしているとの評判です。一方、「中国銀行」は外国企業向け、外国人個人向けの業務が多いことから職員の態度もどこか悠然としすぎており、サービス面でも融通が利かないイメージがあります。先日も上海市内の中国銀行に行ったのですが、8カ所ある窓口のうち業務中の窓口は2カ所のみ。どんなに混んできても他の窓口は閉ざされたまま。顧客が少ない午後の時間帯を狙って行ったにもかかわらず、ちょっとした手続きをするのに1時間30分程度待たされました。

 待っている間に思い出したのは、前職で上海駐在時の5−6年前の1件。会社からの給与は中国銀行に振り込まれ、毎回必要額を引き出していました。上海では当時から一般的に交通カード(チャージ式で地下鉄・タクシー・バスなどで使用できるカード。日本より一足早く導入)が広く使用されていたのですが、この磁気が異様に強力で、財布に一緒に収納している銀行キャッシュカード磁気が影響を受け、結果ATMなどで読み取り不可になるケースが多々ありました。私も例にもれず中国銀行のキャッシュカードが使用できなくなり、カードの交換を申請すると、7営業日必要とのこと。手元にはほんの少しの現金しかなく、新しいカードを手にするまで心もとない生活を送った経験があります。その後工商銀行の口座を開く際、キャッシュカードの交換に必要な日数を聞いたところ、身元が確認できればすぐ、30分も経たずに交換完了するとの回答でした。さすがビジネスで揉まれている工商銀行だなと感心した経験があります。数年前のこの話を中国人友人に伝えると、「さすがに今はそんなことはないだろう」と言っていましたが、昨日中国銀行に質問すると今でもやはり7営業日必要との回答あり。周りの皆が工商銀行を支持する理由がわかったような気がします。

 また、最近では「招商銀行」の人気がかなり高まっているようです。最新のITプラットフォームを導入し、電子銀行(ネット銀行)の便利さで新規顧客をどんどん取り込んでいるようです。事実、同行は銀行の中でも1位のネット取引業務で同行取扱高全体の40%を占めており、インターネット売買が活発な中国市場で消費者に受け入れられているとのこと。また、歴史の古い「交通銀行」はサービス面の品質を上げ他の銀行との差別化を図ろうとしているとのことで、実際ファンが増えているようです。

 今や外貨準備高世界第一位となった中国、また15の銀行が共有する「銀聯カード」は世界中に広がりつつあり、銀行は益々力をつけています。今後はそれぞれの特徴を活かしてより一層顧客取り込みを深化させていくものと思います。

 
今回の中国出張の際に現地新聞「人材市場報」の取材を受けました。インタビュー内容は、HSKとBCT(中国語版TOEFLと中国語版TOEIC)についての受験体験談や、それを現在のビジネスでどのように活かしているかについて。私は、言葉だけでなく中国の方の性格や嗜好への理解を深めることが中国にてビジネスを行う上で最も重要であるということを述べさせていただきました。



 記事掲載の際、プロのカメラマンが撮影してくれるのですが、日本と比べるとやや大げさなポーズを取ることを要求されることが多く、日本人にとってはかなり照れくさいところです。ここ最近の中国での取材に慣れてきたのか、比較的抵抗なく撮影を終えることが出来たと感じていたのですが…。発売日の8月25日を迎え、上海エリアのコンビニを覗いてみると、予想外にも一面記事に大きく掲載されており、その時一緒にいた弊社中国代表から私の笑顔が緊張で引きつっているとの指摘。慣れてきたなんて感じていた自分のことが思い切り恥ずかしくなってしまいました。

 さて、今回の出張では上海、大連2つのエリアの民間上場企業の幹部クラスの方と趣味や嗜好についてお話しする機会がありました。

<日本への旅行>
 まず話題に挙がったのは日本への旅行の件。過去のコラムでも記載した通り、自営業を営んでいる富裕層は敢えて収入を押さえて節税している場合もあります。そのため今回日本政府が個人ビザ取得の条件とした「25万元以上の納税証明書提出」ということが足枷となり、これらの富裕層は対象にならず、上場企業に勤務している部長以上のクラスの利用が多いだろうとのことでした。

 彼らが日本旅行に期待するものは、実は非常にシンプル。ホスピタリティあふれるサービスを受けたい、新鮮な魚介類を堪能したい、温泉や地方ならではの自然を満喫したいなど。また、旅行先で中国の方がとまどわないよう受け入れ態勢をしっかりとしてほしいということ。もはや中国国内で安く購入できる日本製電化製品に対して購買への強い興味はなく、ましてや投資VISAが出ない日本での不動産投資には全く興味なしとのコメントがほとんどでした。日本側の様々な業者が受け入れ表明をしていますが、実際のニーズを把握せず一方的な解釈で対応が空周りしている日本側とのギャップを強く感じました。

<自家用車/社有車について>
 また、車についても非常に面白いお話がありました。今回交流した方たちも含め、ある程度お金に余裕のある方はこぞって個人または法人で車を購入しています。人気のメーカーは日本でもおなじみのBMW、ベンツ、アウディ、レクサスなど。いずれも90万元〜280万元の高級車が売れており、また現地では500万元以上するベントレーも最近結構売れているとのこと。

 ここまではさもありなんといった感じだったのですが、話を進める上で更に興味を抱いたのは、各社が中国マーケットにターゲットを絞り、中国市場限定のモデルを投入しているということでした。アウディはA6L、BMWは523Li、525Li、530Li、レクサスはLS460Lと、いずれも「L」がつくモデルです。このLはロングボディを指しており、特徴としてはいずれも後部座席が広く車体の長さが5mを超えるもの。運転手に運転をさせ自分自身は後部座席に座るパターンも多いため、後部座席が広くリラックスできることは重要。またこれらのモデルで街中を移動する際「ある程度の成功をおさめている」ことを周りの皆に向け表現できることがたまらないようです。各社とも「面子」を重要視する中国人の嗜好を良く研究しているなと感心しました。

 現在ベンツはロングボディを投入しておらず遅れを取っていましたが、他のメーカーの「L」の売れ行きが好調な様を見て参入を表明、Eシリーズをロングボディに改良した中国市場限定版を今年中に投入するようです。そういえば過去世界的にもあれだけ有名だった「東京モーターショー」に前回から不参加のメーカーが多かったと聞いています。反対に「上海モーターショー」には東京モーターショーを撤退した欧米メーカーもこぞって参加していたとのこと。やはり不況の中、メーカーの目は実際に販売が伸び利益が取れる市場に向いているということでしょうか。

 中国人向けビジネスで成功をおさめるためには既存のサービスや製品をただ単に紹介・提供するだけでなく、中国人の性格や嗜好を研究し戦略を立て、また必要に応じ柔軟に対応・変更ができる体質づくりが必要と再認識しました。私自身この点をしっかりと再認識し、中国ビジネスに取り組みたいと考えます。

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