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定番メニューを出さない店

突然ですが、玉ねぎのシーズンってご存知ですか?スーパーに行けば一年中手に入る玉ねぎ、実は種類にもよるのですが、5月から11月にかけてがシーズンとのこと。その本来の旬を守り、「オニオンリング」を夏にしか出さないハンバーガー店がアメリカにあるそうです。

【甘いオニオンリング】

オニオンリングはアメリカのファーストフード店の定番メニュー。当然一年中お店に出ているのが普通なのですが、オレゴン州とワシントン州に39店舗を展開しているハンバーガーチェーン"Burgerville"(バーガービル)では、夏にしかオニオンリングを食べることができません。日本で言えば、マクドナルドでフライドポテトを注文したら「今はお取り扱いしておりません」と言われてしまうようなものでしょうか?

バーガービルでオニオンリングに使用しているのは"walla walla sweet onion"(ワラワラスィートオニオン)という玉ねぎ。その名の通り甘く、生で食べてもおいしいのだそうです。この玉ねぎが取れるシーズンだけ"Walla Walla Sweet Onion Rings"と"Walla Walla Sweet Onion Cheeseburger"というメニューが登場し、秋〜春にかけては別の季節メニューに置き換わります。

バーガービルは地元農家と提携し、地域の食材を積極的に活用する方針を採用しています。例えば牛肉はオレゴン州で生産されたものを、冷凍せずに仕入れているそうです。実はワラワラスィートオニオンは、ワシントン州にあるワラワラ市の特産品。定番であるはずのオニオンリングを季節のメニューとするのには、おいしさの追求という側面に加えて、こうした背景があるわけです。

【話題を呼ぶ戦略】

バーガービルの「地域密着」という戦略は、これだけにとどまりません。他にも「電力は地元の風力発電により生産されたものを100%使用する」など、徹底した方針を貫いています。ホームページでも"you're getting great tasting food and helping to create a healthy regional economy."(美味しい料理を食べるのと同時に、健全な地域経済をつくれます)という文言が掲げられているほど。

こうした戦略に、消費者たちも反応し始めているようです。Forbes の記事こちらで無料のPDFが閲覧可能)によれば、CEO の Tom W. Mears 氏は「人々は最初、『地域密着』や『地球に優しい』といったものに興味を示さなかったが、人々の意識は変わり始めている」と述べ、自社の戦略に自信を見せています。

日本でも「地域密着」をうたう企業は多いですが、いくらその姿勢を追求したとしても、消費者がついてこなければ意味がありません。何の戦略もなく地域密着を進めた結果、逆に消費者から「地元のものなんか欲しくない」とそっぽを向かれてしまう例もあると聞きます。その点バーガービルは「オニオンリングなのに限られた季節しか食べられない」など、人々の関心を集めることを上手に行っているのではないでしょうか。

最後にこちらのリンクで、昨年 Walla Walla Sweet Onion Rings がメニューに復活したときのプレスリリースを読むことができます。Walla Walla Onion の由来などについて詳しく解説されていますので、ご興味のある方はご一読下さい。ただのオニオンリングにこんなプレスリリースを出してしまうなんて、驚きですね。
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